永山北部丘陵でホタルを見る
ホタル観察会の主役はゲンジボタルですが、今年は低く舞い飛ぶヘイケボタルをたくさん見ることができました。ヘイケボタルは青梅市内ではヌカボタルなどと呼ばれ、ゲンジよりずっとつつましい光ですが、湿地に集まってまたたく様子は、生きた宝石と言いたい美しさ。ゲンジとヘイケを同時に見られるなんて、いまではなかなかできないことです。ホタルが好む湿度と気温の高い夜ではなく、涼やかな夜でしたが、参加者の方々と本当に幸せなひと時を過ごすことができました。
青梅の山に感謝。そして農地を守り湿地を活かす緑地保全を続けていらっしゃる方々に心から感謝申し上げます。
 
写真は八王子在住のホタル研究者小俣軍平先生からいただいた本です。小俣先生は長く中学校の教師をされ、退職後も多くの教育相談に応じておられる方ですが、徹底して自分の足で山へ入っていく自然研究者でもあります。都の自然環境保全審議会の先輩でもあり、永山の希少植物を「移植すれば問題ない」とする都と開発業者に対して、八王子市内の巨大開発での移植がほとんど失敗しているという実例を克明に示して、反対をなさったことなどを決して忘れることができません。
カエル池プロジェクト
今年2008年は世界カエル・イヤーなんだそうです。生態系におけるカエルの意味合いの大きさを理解してくださる方が増えるといいな。青梅でのカエル池プロジェクトは2回目の春を迎え、産卵調査を実施しました。ヤマアカガエル、アズマヒキガエルのたくさんの卵塊と無数のオタマジャクシが確認されました。5つある池は水の循環も良く、大成功。
しかしルンルン気分は調査が進むうち消えていきました。順調に増えていたトウキョウサンショウウオの産卵数が、四月に入ってぐぐっと減ったからです。2つの可能性が考えられます。誰かが卵を持ち去ったか、外来種アライグマが卵を食べたか。あるいはその両方かも。卵はインターネットなど通じて売られているという話も聞きますし、アライグマのしわざでしょうか、頭を噛み切られたトウキョウサンショウウオの成体も見つかっています。自然環境を復元したことにカエルやトウキョウサンショウウオは確実に応えてくれているのに・・・残念でなりません。

地名は土地の履歴書
永山北部丘陵という名前は、もともとあった地名ではありません。開発のために付けられた名前で、そのためか私はいつまでもなじむことができず、根ヶ布(ネカブ)の山、根ヶ布の中央の谷・・・などと呼んでいます。青梅市役所では、公園緑地課が中心になって保全の計画作りを進めていますが、一帯を「青梅の森」と呼ぶという仮の案が出ています。なんだか漠然とした感じ。その土地の履歴書でもある古くからの地名を活かすことはできないのでしょうか?
各地の開発事例を調べている時、抹消された古い地名に出会ってなんともいえぬ気持になったことがあります。その土地の歴史や記憶が消されてしまったみたいでとても悲しかった・・・
古い呼び名を決然と捨てるのは、それに見合う理由がある時ではないでしょうか。たとえば「トトロの森」という名は多くの人に親しんでいただくために選ばれ、その役目を十分に果たしていると思います。永山北部丘陵の名前は青梅の歴史・文化・自然に詳しい方たちの意見を入れて決めていただきたい。私はそう願わずにはいられません。
4月1日(火)  どんぴしゃりの花見日和
天祖神社山すそのカタクリの花
地元の方の手入れでこんなに咲いた
里に咲くミツマタ
ハクモクレンの大木
長淵丘陵のミツバツツジ
桜も満開
「青梅さとやま市民会議」の定例観察会。強い風と舞い飛ぶ花粉に体力を消耗してしまいましたが、見事に咲く春の花々に幸せを感じました。春ってなんて気前がいいの!!!
今回は20代の方も参加。いろんな世代同士で山歩きもいいものです。
3月30日(日)  本に出てくる永山北部丘陵 
熊谷さとしさん・下田智美さんが永山北部丘陵を舞台に描いてこられた絵本の原画展。河辺西友のボッバルトホールへ見に行きました。
2001年永山の開発問題が起こったころ、いろいろ自然について教えてくださった熊谷さとしさんと記念撮影。「開発が止まって、本当に良かった」と喜び合うことができました。熊谷さんの絵にはアナグマやタヌキやキツネやムササビたちが動き回る根ヶ布の森の夜の気配が感じられることに改めて感嘆しました。里山の王様であるオオタカが「フン!」といばっているのが楽しくて、笑ってしまいました。


午後は埼玉県小川町で、200軒の民家の生ゴミと学校給食の生ゴミを市民の手で液状堆肥にし、そこから出るメタンも利用する、そういう取り組みをしておられる桜井薫さんのお話を市民会館で聞きました。「青梅の水とゴミを考える会」の主催。自主独立の気概を持ちながら、しなやかな発想の桜井さん。手づくり太陽電池講座も開いているそうです。小川町ってどんなところだろう。

熊谷さとしさんと
3月29日(土) トウキョウサンショウウオ調査
子どもたちも参加した
トウキョウサンショウウオの卵
川すじに不法投棄されたタイヤ

午前中だけでしたが、自然保護団体が長年取り組む定例一斉調査に参加。やっぱりこれを確認しないと春が来た気持ちがしません!

川すじの谷に投げ捨てられたタイヤを発見。青梅市はこうした不法投棄の処理に1年に約200万円かけています。不法投棄には、5年以下の懲役または1000万円(法人には1億円まで加重ができる)以下の罰金という厳しい罰則がありますが、後を絶ちません。

3月28日(金)  私たちのウンコの行方
ごみ処理にも関心がありますが、ごみを焼くより下水の汚泥(おでい)を焼くのに、もっとたくさんの重油を使っているということに気付き、「CO2削減の方法はないだろうか」と考える立川市議の大沢ゆたかさんと一緒に立川市錦町の下水処理場を見学に行きました。バイオエネルギーへの転換に取り組む2人の方も参加。
たくさんの過程を経て、明るい茶色の粘土状になっていく汚泥。うーーむ。これを肥料にできないものか??
残念ながらカドミウムがかなり含まれているので、「できない」のだそうです。水分の多い汚泥に木くずから作ったペレットを投入し、焼却温度を重油に頼らず維持することを大沢さんは一生懸命考えていました。
青梅市民の下水を処理している多摩川上流水再生センターでは、そういう取り組みがガス炉で始まるとのこと。
立川処理場のエンジニアの方たちの仕事ぶりにふれて、子供の頃、船員だった父にタンカーの機関室を見せてもらった時のことを思い出しました。

下水処理にはたくさんのプロセスが必要


処理された水には魚も棲める

多摩川で野鳥観察と焼いも大会
3月1日、毎年恒例の多摩川での野鳥観察会に参加しました。

子どもたちはどんどん多摩川の河原から遠ざかっています。保護者の方たちも忙しい。そこでかつて河原や野山で存分に遊んだ方たちが「青梅っ子に河原でもっと遊んでもらいたい」と願って「多摩川水辺のフォーラム」が結成されたのです。都の鳥獣保護員の上田さんを講師にホオジロカモ・カルガモ・セキレイ・ダイサギなどを観察し、そのあとが焼いも大会。大勢参加されて、みんなでうららかな光の中で自然に恵まれた青梅のすばらしさを味わうことができました。

上田さんのお話では、「河原に以前はいっぱい見られたノウサギのふんが昨今はなくなっている」とのことです。対岸にはタヌキやキジも住んでいましたが、今はどうしているでしょう?

大規模な護岸工事などで自然の岸辺が失われ、生態系が貧しくなりつつあることを悲しく思います。

山々は春霞にけぶり小鳥のさえずりも
もうすっかり春の声
焼いもは輝くようなきれいな黄色。
おいしいのなんの。
講師の上田先生と記念撮影。
鉄板を敷いてたき火。
ここまで燃えた後も柔らかい暖かさが
伝わってきます。
ゲッチョさん〜
まるでカップルのように見える写真ですが、そうではありません。埼玉にある「自由の森学園」の名物教師だったゲッチョさんこと盛口満さんと和田町と畑中の境の馬引沢へ自然観察に出かけたときのものです。
「自由の森学園」はユニークな先生ぞろいですが、その中でもゲッチョさんは生物観察に関するたくさんの著書があり、読者である私としては、お会いできる日を心待ちにしていたのです。

市内の環境団体の若手(ゲッチョさんの教え子)が企画したこの自然観察会、午前中は梅郷市民センターでまず話を聞くことから始まりました。
のっけからゲッチョさんは、体と顔は私たちのほうを向いたまま手は黒板の字を書いていくというアクロバティックな板書で、みんなを楽しませ、「本物に勝るものはありません」と言いながらリュクサックの中から次々取り出す動物たちの骨でみんなをあ然とさせ、よく力の抜けた体(へろへろ動くのを見てるだけでこちらもリラックスしてしまった)で表現豊かな観察学を披露して参加者を1人残らずとりこにしてしまいました。

というわけで、いよいよ一緒に山に入る頃には、すっかりゲッチョ流が伝染しこんなにこにこ顔になってしまったのでした。こういう自然案内人に出会うって、特に子供たちにとっては忘れがたい体験になるだろなぁ。
生意気にもわたしも山歩きや観察会の案内人をつとめさせて頂くことがありますが、ゲッチョさんの域まではとても届きそうにありません。
ゲッチョさん、今は沖縄で「珊瑚舎スコーレ」というフリースクールを仲間と一緒にやっていらっしゃるそうです。沖縄よりも青梅のほうがより多彩で複雑な自然がある、という感想はちょっと意外だったけれど「うーん、やっぱり青梅はいいとこだわ」と得意な気分になりました。
ごみゼロ演芸会
なんで《自然を守る》ページに着物を着たおじさんが?  と皆さん思うかもしれません。でも分かる方は分かるはず。青梅出身の噺家、三遊亭歌司(うたじ)師匠です。3月24日市民会館で《ごみゼロ演芸会》という催しがあり、初めてお目にかかりました。

市内のごみ問題を考える市民団体が、究極のリサイクル都市であった江戸を舞台とした落語を通して、消費一辺倒の現代生活を見直そう、と企画した演芸会です。
真打の噺のすばらしさに圧倒されました。どぶろくをすするしぐさのとき、顔が高潮して、酒にありついた酒飲みの幸せがみごとに出ていたのにもびっくり。
《噺》ってこんなにもパワフルだったんだなぁ、と感嘆しました。

ポスターを見て受付に立ち寄られた方が「滝ノ上に住んでいて、歌司さんを子供のころから見ていましたよ。なかなかのいたずらだった。今日は別の用事があり聞きにはこられないと思うが、資料だけでも」とおっしやって、資料代を払っていかれました。歌司師匠を誇りに思っていらっしゃる様子が伝わってきました。

粋な方です
はな*花*ハナの青梅の春
柚木の人家の庭に咲いたハナネコノメソウです。実物は見落としてしまうほど小さいのですが、目を近づけると、こんなにきれい。
大地が無数の手のひらを開くように、今青梅はさまざまな花でいろどられています。
残土処分場
土地の造成が行われると大量の残土が発生します。これをどこへやるか、が大きな問題となります。青梅のような丘陵地の谷はその捨て場として狙われてしまいます。
長渕丘陵に2ヶ所、残土埋め立ての計画が持ち上がり、住民の方が反対しています。
残土にサンドイッチして医療廃棄物などの有害な産廃を不法投棄するおそれもある残土処分場。自然破壊・地下水を通じての健康被害という問題があります。
多摩環境事務所に問い合わせてみたら、残土処分場の許可を出すにあたっては、森林法で《市長意見を聞く》という決まりがあるそうです。
みんなの命を守るために、森のいのちを守るために、市長にはきっぱりと残土処分場を拒否してほしいと思います。
冬眠からアナグマ目覚めるころ
写真はピンボケですみませんが、昨年秋、青梅市内の人家の裏庭で見たアナグマです。タヌキと並んで日本の里山の代表的な野生生物ですが、私が育った神奈川県南部には生息していませんでした。
アナグマは11月末ごろ冬眠に入り、3月末に目を覚まします。穴掘りの名人で、いくつもの部屋をつなげた巣穴を掘るアナグマ一家。去年の子供は次の年、親の子育てのヘルパーをするという習性があります。多分一番居心地のいい部屋でそうした家族が体を寄せ合って冬眠するのだろうと想像します。
そろそろ青梅のアナグマたちが冬眠から目覚めるころです。
ひょうきんに見える一面も持ち、家族が仲良く穏やかな暮らしを営むアナグマに惹かれる方は多いのです。
私もアナグマが大好き。

3月10日 カエル池でついに卵発見!
3月10日、みんなで掘ったカエル池にヤマアカガエルの卵を確認しました。一腹のみですが、この谷戸のカエルが絶滅していなかった、と思うとうれしいです。
写真は別の場所で見つけたニホンアカガエルの卵。ヤマアカガエルの卵はこれによく似てはいますが、手で持ち上げようとすると、モロモロと落ちてしまいます。
トウキョウサンショウウオの卵のうも18見つかりました。めでたし。

池のそばには真っ白い鳥の糞が落ちていました。猛禽類(フクロウか?)の糞です。夜中、木の枝にとまり、産卵に来るカエルを狙っているのでしょう。水辺が復活して、またここに生態系の輪が広がっていくひとつの徴(しるし)です。

以前「交尾するカエルをヘビが狙っている」と書きましたが、友達が言うにはカエルの場合は「交尾ではない。抱接(ほうせつ)と言う」のだそうです。ちょっと雰囲気のある言葉だな、と思いました。
ニホンアカガエルの卵トウキョウサンショウウオの卵のう福寿草? いいえ、オウメソウです
2月12日 産卵調査
空は晴れ渡り絶好の山日和。産卵調査のためカエル池を3箇所まわりました。
まず始めは、昨年みんなで掘ったカエル池。ふくらむ期待。しかし残念ながら、まだ1つも卵は見つからなかった。田んぼが耕作されていたころこの谷戸はカエルがいっぱいいたはず。しかし水場がなくなり、カエルも絶えてしまったのでしょうか? 「優良物件の池なのに」とお客の動向が読めない不動産屋さんのような気持ち。
次は永山。ここは市内より気温が低く、池は凍っていました。しかしヤマアカガエルのものと思われる卵の塊が、ざっと数えただけでも100以上産み付けられていました。壮観です。
最後は木野下の溜池。あった、あった。50くらいの卵塊が岸に近い浅いところに産み付けられています。メスを待ち受けるアカガエルも見つけた。しかし、奇妙なものも発見。それは頭を食いちぎられたメス2匹の死骸です。青梅の里山に増えつつある外来種アライグマの仕業であろうか・・・? さらにこの池、だれかが放したのでしょう、金魚がいっぱい泳いでいるではありませんか。せっかく生まれたオタマジャクシが金魚に食べられてしまう。人間が持ち込んだ生き物が里山の生態系を壊してしまうのです。

里山の食物連鎖の底辺を支えるカエルの生態を通して、いろいろな角度から自然を眺めるようになりました。カエルが大好きな友人のおかげです。
彼のHP「びっきい と やまどじょう」をご紹介します。

http://www.hkr.ne.jp/~rieokun/

そして最近ヘビが大好きだという友人もできました。そのバイカダさんのHPもどうぞご覧下さい。

http://baikada.com

かえるさんいらっしゃいネコヤナギのつぼみヤマアカガエル
カエル池第二弾
忙しい忙しいと言いながら、実は年末にまた仲間と集まって、カエル池をさらに2つ掘りました。市内市外から8人が参加。これで池は大小4つになりました。小さくてちょっと深いのには「アスワンハイダム」という名前がいつの間にかつきました。ほかの三つにも名前を考えてもらわなくちゃ。今回のお楽しみはぜんざいでした。
ところで、カエルの生存をおびやかす大敵、ツボカビが外来種の輸入に伴い日本に上陸した、との話を聞きました。新種のインフルエンザの脅威にさらされる人間界と同じように、日本在来のカエルや水生生物たちにも大きな危険が迫りつつあるのかもしれません。
ヒダサンショウウオを探して
「2月の末、またヒダサンショウウオを探しにいくよ」と友人から誘われました。自分と同じ名前のこのサンショウウオを見に行きたい!!しかし時間が取れそうにない・・・
写真は去年、八王子の某山中の渓流をさかのぼり、発見したヒダサンショウウオの卵のうです。私にはこれが宝石に見えてしまうのです。いや、水の中で青く光る様子は宝石以上に美しい。成体もまた金箔をまぶしたようなおしゃれな姿です。
岩を乗り越え、水をのぞきこみ、鳥の声に耳をすまし、いい一日を過ごしました。
山の中に入ると洗濯でもしたようにさまざまな感覚がみずみずしくなり、元気になって町へ戻ってくることができるのです。

これはビオトープとは言えない!
去年のこと。
「市内・木野下の古いため池を改修工事して、ビオトープにした」と市長さんが自慢なさいました。えっ、すごいなぁ。うれしくなってさっそく見に行きました。しかし・・・
以前のこの池はカエルの一大産卵場所でした。ビオトープならばカエルの産卵に対する配慮があってしかるべきだと思うのですが、こんな垂直の岸では吸盤を持たない種のカエルは這い上がれない。見た目はきれい。でも生物にとってはせっかくの水辺が死の水辺となってしまう。
継続して観察を続けることにしました。春たけなわ、ヤマアカガエル、アズマヒキガエルが次々と卵を産みました。しかしよく池底を見るとヒキガエルらしい死体をいくつも発見。オスが争う「カワズ合戦」で死んだにしては数が多すぎます。手足を伸ばしきった白っぽい死骸はなんとなく人を想像させます。
市の農林課に話を聞くと、「ビオトープはため池本体の手前の小さな池」だというのですが、そちらもやはりカエルが這い上ることができない構造でした。
これはビオトープとは言えない!!
これはビオトープとは言えない!
カエル・ヘビ・タカ  〜身近な生態系観察〜
5月から6月にかけて、秘密の池を見に行く楽しみがあります。モリアオガエルの卵は形の崩れた綿菓子かメロンパンが池に張り出した木の枝にぶら下がっているみたい。周囲を見回すと、木のこずえにとぐろを巻いたヤマカガシを発見。(カカシじゃないですよ。ヘビです) 交尾に夢中になっているモリアオガエルを狙って待ち受けているのですね。この池を見下ろすがけ上には、ノスリという鷹がヘビとカエルの両方を狙って待機しています。
こんな場所が昔の青梅にはたくさんあったのだろうな。
モリアオガエルの卵
カエルを待ち受ける蛇
落ち葉かき
毎冬、小学生の自然教室の一環で落ち葉かきをしています。これが大人気。疲れるのは分かっていてもついついみんな夢中で落ち葉をはき集め、その中に飛び込んだり、袋の中にぎゅうぎゅう圧縮して詰め込んだり、あっという間に時間はたってしまいます。集めた落ち葉は300キロ以上。有機農業をしている方に引き取っていただき、いい堆肥になります。
昭和30年代まではこうした落ち葉かきは大切な農作業の1つでした。わたしたちの祖先は何百年にもわたり落ち葉から作った堆肥で荒地を肥沃な畑や田んぼに改造してきたのです。
落ち葉かきにはもう1つ楽しみがあります。厚く積もった落ち葉が取り除かれると、下に隠れていたさまざまな植物の種たちに発芽のチャンスが来るのです。何年も眠っていた種が目を覚ますこともあり、次の春、数少なくなってきた里山の花たちに思いがけず出会うこともあります。(カタクリなどもその1つです)
落ち葉かきが終わったところです。
あーー、せいせいした。
カエル池を堀ろう
里山の危機はなんといってもいい水辺がなくなってきた、ということ。昔は田んぼで水辺の環境が確保されてきたが、昭和30年代からは毒性の強い農薬がばんばん使われ、水辺の生物は大打撃を受けた。その次は谷戸の田んぼを耕作する人が減って、田んぼは草におおわれ開放水面がなくなり、やがて干上がっていく。こうしてカエル・トウキョウサンショウウオ・トンボたちは産卵の場を失いつつある。特にカエルはほかの里山動物のえさにもなっているから、食物連鎖に深刻な影響が出てくる。なにより「かわいいカエルの姿をもっと見たい!」というわけで、「カエル池を掘ろう」と思い立った。ドイツ語由来の「ビオトープ」を作ろうというわけ。
ある谷戸田あとの持ち主から許可を頂き、11月のとある日、8名が集まり、スコップを握った。まず湧き水の出口を探す。水はたまって、なおかつ循環して、さらへ下へと出て行かなくてはならない。かつてのお百姓さんたちは粘土をかついで田んぼに運び込み、止水層を作っている。これに穴を開けるとそこから漏れていって水はたまらないから、注意深く掘り進む。昼までに大小二つの池を掘ることができた。大満足。強風の日だったが谷戸は風もなく作業にちょうど良い暖かさだった。8人いなかったらこんなにもスムーズに仕事は進まなかった。皆さん、お疲れ様!!昼ごはんの豚汁がおいしかったのは言うまでもない。
一週間後、水のたまり具合を見に行く。ちょうどいい具合に溜まっているではないか。来年の春、カエルやトウキョウサンショウウオが続々やってきて卵を産むだろうと思うとワクワクしてくる。
青梅の自然を守るために
30代半ばからどういうわけか山が恋しくて仕方なくなりました。仕事が休みの土日は電車に乗りせっせと山へ通うようになりました。縁があって青梅に移り住んでからは遠くの山には目もくれず、永山林間道や長渕丘陵を歩き、夏は多摩川で泳ぐ日々。
里山の自然の成り立ちを知るようになってからは、山の手入れなどにも参加するようになりました。そうした活動をご紹介していきたいと思います。
基本はぶらぶら里山歩き、です。